雪の
今日は『雪の女王』(底本:「新訳アンデルセン童話集 第二巻」同和春秋社 1955(昭和30)年7月15日初版発行)を少し。
青空文庫にあるので、読んでたら思ったより長かったという記憶が。
主人公はゲルダという女の子で、カイという少年を探しに行くというストーリーなのだけど、なかなか読んで行くと面白い。
カイを探しに行くゲルダちゃん。
ところでなんでカイがいなくなっちゃったかといえば、雪の女王に出会ってしまったから。
その美しさや聡明さに惹かれてしまう。
で、何も告げずに一緒にお城へ。
(途中いろいろ省略)
なんとかゲルダとカイは一緒に帰ってくる事が出来たのでした。
おもしろく思ったのは、二人が旅から帰って来ると、
いつの間にか大人になっていました、というくだり。
ストーリーの大半は少女ゲルダの話を占めているのだけど、なかなかに試練を経験する。がんばるゲルダちゃん。
後、大事なのは“寒い国”という設定かもしれない。
作者が19世紀の人だからかな、とふと考えるところがしばしば。
「おまえさんのために、世界のはてまでもさがしにいってやるだけのねうちが、いったい、あったのかしら。」
帰る途中に出会った友だちからの言葉。
この友だち(おいはぎの娘)が良い味を出している。
この言葉で、ゼルダが周囲からどう思われているかがわかるという構造だ。
ゼルダを動かしていたのは、月並みに言えばカイへの愛なのだけど、普通、相手に世界の果てまで行く値打ちがあるかどうかは分からないと思う。
世界の果てまで行く、というのはここでは相手のために自分の大事な何かを犠牲にする、意味もあるだろう。
まあ、それをするのは賭けだ。
でも賭けの状態とは長期戦に入れば入るほど、心身ともに消耗していく。
ともかく、ハッピーエンドで終わるのだけど、読んだ後に全体を振り返るような仕組みになっている(最初のシーンに戻り、冒頭と同じ言葉が出てくる)。
読み終わった後に全体を見渡せるようになっているのは大事だと思う。
ただ、青空文庫だとちょっと古めかしい言葉遣いなので、違和感はあるかもしれない。
今日はこんな感じで。
おやすみなさい。
ごきげんよう。