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「鶯さん鶯さん」

本の感想
と猫なでごえで呼びかけました。
「オヤ斑(ぶち)さん、今日はいいお天気ですね」
「ニャーニャー、ホントにいいお天気ですね。それにこの梅の花のにおいのいいこと。ほんとにたべたくなるようですね」
(夢野久作「梅のにおい」「夢野久作全集7」三一書房、初出:「九州日報」1924(大正13))


ブチ猫は鶯を食べたいがために鶯を口説くシーン。

綺麗なものにはこういうブチ猫みたいなものもついとりますよ、といことなんじゃろうか。結果、鶯はうまく逃げてブチ猫は地面にぼたりと落ちておしまい。

ブチ猫をイヤな奴と読むことはできる。だいたいブチ猫は最初梅のにおいを「つまらないにおい」と言っておきながら、鶯にはいい匂いですね〜と嘘をついて近付いている。さもしい。ただ、自分をブチ猫に重ねて読む方が面白いかもしれんですねコレは。

今日は「海容」という言葉を初めて知った。おおむね「寛容」と同じ意味ぽいが、海というイメージが映像的。

ちなみに海は夏っぽいが、冬の海もなかなか好きだ。