『モモ』①

こんばんは。今日一日いかがお過ごしでしたか。


疲れた時は普段とは違うことをしてみるといいと言いますが、寝る前に読書などどうでしょう。


(とまあ設定らしいことを言っておいて)



今夜は『モモ』について少し。

個人的な話だけど、気づいたら『モモ』を三冊購入していた。エンデ全集、ハードカバー、文庫の三冊。

文庫本が出たことは、いいことだと思う。安さと持ち運びの点で。もともと児童向けの作品だし、グッジョブ。


それはそうと、エンデの本は全体的に装丁が綺麗なものが多い。文庫のものは仕方ないとして、ハードカバーは割と凝っているように思う(個人の感想)。でも最近では、どんな本も装丁がきれいになっているから、私のひいき目もあるのだろう。


それはともかく、『モモ』の場合、作者エンデの描いた絵が挿絵として載っている。カバーの絵もエンデの描いたものだ。すごく緻密で、シュルレアリスムっぽい絵だと思う(絵のことはよくわからないが)。エンデの父親もシュルレアリスムの画家だった。画風としては、父エドガーよりも、ジョルジュ・デ・キリコの絵に近いような気がする。 


まあさておき、カバー絵を見ているだけで、すごくワクワクしてしまうものだ。文庫版では絵の一部しか載ってないので残念だけど、ハードカバーの方は表裏全面にエンデの描いた絵が載っているので、興味ある方はぜひ手にとってみてほしい。エンデのイメージの緻密さに驚くはずだ。(まあなにしろ時計がびっしり)個人的には上からぶら下がっている惑星のモデルが好きすぎて模写して部屋に飾っていたこともあるくらいだ。


『モモ』のカバー絵については、エンデ自身も言及している。そこには驚くべきことがらが。

・・・それから、これは特に成功したと思いますよ!背表紙には、大きな戸棚の狭い一角が載っていて、本を裏返すと、それが遠近方式に後ろのほうへ伸びていっています。(中略)本をひっくり返すか、そのまま水平に開いてみると、まとまった広大な画像が見えてくるでしょう。
あなたがどういう意見を言ってくれるか、楽しみにしていますよ。いずれにせよ、これは本当に時々神経をうずうずぴりぴりさせるような、忍耐作業でした。でもとても楽しかった。(『エンデの贈りもの』河出書房新社、1999年、38頁) 


この引用を打ち込みながら、背表紙の戸棚がドイツ版でしか描かれていないことを初めて知る。あと、遠近方式で楽しめるなんて全然気づいてなかった。(・・・ドイツ版見たいなーほしいなー)


エンデ自身も、表紙絵にはかなりの意欲を注ぎ込んだと自負している。それに作業自体かなり楽しかったようだ。 そう言ってくれると、読み手としても嬉しく感じてしまうもの。


日本版のハードカバーについては、たまに某有名古本屋に行くと出ていることもあるので、チェックしていたら出会うこともあるかも。(まあ、ネットでもありますけどね。。。)


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今夜の一枚。

以前住んでいたとこの近所の丁寧な植え込み。

植木鉢一つ一つに植物名の書かれた札が差し込まれている。住宅地ならではの狭い空間をうまく利用。





・・ええ、ええ、綺麗だったから勝手に撮ったんですよ。それがなにか? 




おやすみなさい〜