怒りの葡萄
を先々週あたりDVDで鑑賞。
- 作者: スタインベック,大久保康雄
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1967/05/15
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まだ原作を読んでいないのだけど、作者はジョン・スタインベック(1902-1968)氏。
前にエデンの東を読んだ後、DVDも鑑賞したのだけど媒体が違うもののそれぞれの良さがあった。
ジェームス・ディーンの演技と、ヒロインのアブラ嬢の衣装が可愛らしくて見惚れてしまった。
で、今回の怒りの葡萄。
最初は映画のセットやら、車の走行シーンの古めかしさに目が行きがちになりつつも、話の筋はすごくリアルな感じなのでどんどん見入ってしまう。
率直に内容を言えば、立ち退きに遭った一家が仕事を求めて移住するも、搾取され、騙され、飢えていき、最終的にまた移住を余儀無くされるというものだ。率直に言えば。
観る側は、最後は仕事も見つかって良い結果になるのだろうと思っていたが、ラスト数十分になっても暗いニュースがひたすら続く。
コレどうやって終わるんだろう、と思っていた時、ラストになって、ああこういう感じで終わるんだと知っていい意味でびっくり。
やっぱり、作者はキリスト教の人なのだな、と思わせるやり方での幕引きだった。
意外なのは、冒頭に出てきたアウトローなひょろひょろした40くらいの男性が実はキーパーソンだったのは、少し驚く。いや、キーパーソンどころじゃないのだけど。
不思議なのは、時代が20世紀前半のアメリカで、労働者たちは資本主義のもと生きている訳なのだけど、それを解決しようとする人たちはなんだか前近代的な匂いがしたことかもしれない。
キリスト教という古い宗教が、新しく台頭してきた資本主義に向き合おうとするあたり、そのやり方がいささか人間臭いのだ。それが新鮮に見えた。
恐らくワタシには資本主義に向き合うという発想が欠落してるのだと思う。
ああでも、一家の名前がジョードでオクラホマ州から西のカリフォルニア州に向かうというのは、なんだか浄土教的な色彩もあるのかしらと妄想。
さっきキーパーソンということを書いたのだけど、主人公によれば、資本主義のシステムに対抗してあっけなく警察に殺されていく彼はキリストだったのではないかと言うのだ。
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寒いですが、
おやすみなさい。