ないと思って

青空文庫にありましたワ、姐さん


ココアのひと匙
一九一一・六・一五・TOKYO



われは知る、

テロリストのかなしき心を──

言葉とおこなひとを分ちがたき

ただひとつの心を、

奪はれたる言葉のかはりに

おこなひをもて語らむとする心を、

われとわがからだを敵に擲げつくる心──

しかして、そは真面目にして熱心なる人の常に有つかなしみなり。

はてしなき議論の後の

冷めたるココアのひと匙を啜りて、

そのうすにがき舌触りに、

われは知るテロリストの

かなしき、かなしき心を。

(石川啄木呼子と口笛』)


深夜、ラム酒10ccほどをココアに入れてレンジであっためて飲んでみたら、良い風味に。

あっためたウイスキーボンボンを飲んでる感じ。

いや、そんなに甘くないもの。


ラム酒とココア好きな方にはすすめたい。


ずびずびすすりながら、読めるココアのひと匙。

いわずと知れたあの事件。


ワタシは真面目でも熱心でもなかったから、テロリストのかなしき心はわからないのだろうな、とフト。


ところでテロリストたる者はかなしいものなのかどうか。

過激か悲哀で語られるも、どちらが適切なのか。どちらも似つかわしくないのか。


ココアの苦味にゑひもせず。

たださめたりしカラダかな。


かくう



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おやすみなさい。