シェリーの

そういえばハロウィーンのシーズンが近々やってくる万聖節 All Saint's Day の前夜祭、ハロウィーン。黒とオレンジ色。


何やらモンスターめいたカッコをするのが特徴的ですが、やや強引にシェリーの『フランケンシュタイン』(初版1818年)を連想。


フランケンシュタインを一度お読みになった方ならご存知のザツガクですが、フランケンシュタインとはあの人造人間ではなく、創造した人物の名前、ヴィクター・フランケンシュタイン


読後感としてはいい意味で切ない物語ですが、いろいろとインスパイアしてくれるもののようですね。そのような書き手の方々もおられるみたいです。


ワタシ的にはホラーものだと思っていたのですが、一読すれば科学文明の発達に対する警鐘、といった感想をまあ抱くところでしょうか。SFっぽいですかね。いずれにせよ読み手のイメージをいい意味で一回は裏切ってもらえる話だと思います。



人間がいろいろな威信をかけて創造したものが、人間の手を離れて暴走してしまうことへの畏怖。


創造主からすれば「このコ、こんなはずじゃなかったのに…」という感じですかね。暴走し出したところからが悲劇の始まりなわけで。


冒頭のエピグラムに次のように。


「創造主よ、土塊からわたしを人のかたちにつくってくれと
頼んだことがあったか?
暗黒からわたしを起こしてくれと、
お願いしたことがあったか?」
(『失楽園』第10巻 743-745行)


被造物からの創造主へあてた言葉でしょうか。創られたものからすれば、余計なことしやがって、という具合のようですね。


ストーリーの被造物の怪物は最期結局どうなったかわからないまま終わるのですが、それもまた示唆的。


ところで被造物の怪物には、帝国やら資本主義、etcが読み込めるという仕組み=象徴であるようですネ。読みながら自分の創ったものを代入出来るかもですね。



いくつも翻訳が出ているようで、“人気商品”のようです。ちなみにワタシは身近な書店で買えた光文社文庫を購入。角川、国書刊行会創元推理文庫、から出ている模様(あとがきより)。


光文社のは、訳者の小林章夫氏による解説があり、映画や読み方の可能性など書かれていて、読後に他の作品へといざなってくれるものとして興味深く読めると思われます。後はシェリーの年譜と訳者あとがきが付されています。

文量も文庫で400頁ほどなので、一気読みすれば一日で読み終わるかもですね。難解ではないと思います。



読んでいると、現在起こっているアレコレが思い浮かんで読み手にアリアリと迫って来るものがあるのですが、書かれたのは1818年、19世紀初頭。日本ではイギリスの黒船が浦賀に来たり、伊能忠敬氏が生きていたりした時代。


歴史ってこんなものなのかなぁとしみじみする今日この頃かも。


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数年前の自作ブックカバーです。
といってもザラ紙に消しゴムハンコを律儀に押しただけなのですけど。


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目次です。

余談ですが、目次を作ったことがあるので、体裁とかやや気になりますね。




ハロウィーンですが、なんで怪物やら魔女やら、人外の仮装をするんでしょうか。そしてお菓子をもらって回るとか。


楽しければいいじゃないの、と言われそうですね。でもみんな楽しいんですかね、コレ。おっと。。?!




おやすみなさい