御堂関白日記と星々

数年前に偶然パラパラ読む機会があった御堂関白日記、という書物。


御堂関白とは藤原道長のことなのだけど、ふつう権力者といった手合いのイメージが強い人だろうか。それとも、娘を政争の道具にした人物だろうか。


大学の講義で、講師の方が日々激務をこなしていた人物として紹介していたが、そのときは、社畜のイメージになった。というのも、宮仕えは一日が終わるととりあえずみなさんおうちに帰るのだけど、藤原道長は忙しさのあまり宮中で泊まっていた、という話だった。

見る人によって人物像が変わるということを教えてもらった気がする。



さて御堂関白日記だが、日記というより業務日誌みたいなものだ。


読んでいると、やはり忙しい人物という感じがするのだけど、割とあちこちにおそらく牛車に乗って出かけている某氏。


そのなかで、あるとき業務が終わってから某氏は一人で山に行って次々に流れる星を見ていた、という具合の箇所があった。(手元にないので細部うろ覚え)


おそらく一人で行ったのではないだろうが、流星群を見ながら何を考えていたのかしらと、ふとページを繰る手を止めて思ったのだった。


危機の予兆として見ていたのか、ロマンティシズムに浸っていたのか、それともなんなのか。


謎の人物として某氏を考えた。けれどいずれの人物であっても謎めいたものだ。



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草々