本の感想

IN DER STRAFKOLONIE

「奇妙な装置なのです」と、将校は調査旅行者に向っていって、いくらか驚嘆しているようなまなざしで、自分ではよく知っているはずの装置をながめた。流刑地で/カフカ 最初の一行がよい。

象を

撃つ、というジョージ・オーウェルの短編を思い出しつつ、インドの象をテレビで観ていた。 イギリス植民地支配時代の話。 こんな馬鹿でかいもん、銃でどうやって殺すの?というくだり、日常的に多々ある。 テレビでは麻酔銃だったので、殺してはいない。 村…

大寒のせいか

朝から眠い感じが。☆晩御飯も食べる気がせず、先に鍋とかを片付けて、明日のお米をセットして、何もする気がしないままコタツのある寝室へ。 気分が冴えないので、相変わらず音ゲーをぱしぱしやる。やってると、フロー状態になる。この状態のとき、いつも村…

ある歴史家の言葉によれば

「ヒステリーの歴史は、連続したひとつの物語ではなく、まばらに起きる出来事の寄せ集めである……ヒステリーは模倣の疾患だーーその社会で認められる病気の形をまねている」のだ(Suzan A Crancy) 病気っぽいアレコレのHysteriaも何かの模倣だということ。ま…

「善きもの」

この前シロウト向けの哲学書をパラパラとめくっていると、この言葉が。 なんか見覚えのある言葉、と思っていると、『思い出のマーニー』に出てくる「善きものを掴め」という言葉に突き当たる。しかも内容もぴったり合致するのではないか、と。 それは、自身…

まえがきを

けっこう飛ばし気味で書いている本を最近読んだ。その本はある学問分野の入門書で、飛ばし気味、というのは筆者がその学界の人々に威勢のいいことを書いていた、ということだ。以前は何これ?と思って憤慨することもあったが、そういった本は、学術書じゃな…

ふつふつと

昔のイヤなことが脳内で反復してしまう日だった。 村上春樹氏の『ねじまき鳥クロニクル』多分第2巻で、主人公が井戸の底に降りて、暗闇で一人で考え事を始めた時に、昔のことを思い出して堪まらなくイライラし出す、という下りがある。そんな感じだった。 …

巌窟王

がんくつおう またの名をモンテクリスト伯。デュマの。 内容は復讐劇なのだけど、読んでいくうちに復讐の定義が変わっていく。まさにそれが「復讐」でもある、といったところか。主題への深い洞察。 たまに、巌窟王のことを思う。

なかなか

寝付けなくなってしまったので、コレを書いている。☆晩に外へ出たら、案の定寒かったが、冬の星空が広がっていた。田舎ならでは。 奈良時代の歴史書をペラペラめくると、星についての記録がある。そういうのを見ると、綺麗とかではなく、怖がっているのか?…

やさしく指を

眼にあててももいろの秋の夕日をすかしみるわが身の春は土にうもれて空しく草木の根をひたせる涙。 萩原朔太郎「秋日行語」 姫リンゴの実。食べれるけど、すごく渋くて酸っぱい。 ☆今日は新しいイヤホンを購入。ちょい嬉しい。

──何しろ、

樅の木なんぞの多い山のなかの一軒家だものだから、雨の音が騷がしいほど大きく、それがまた絶えずさまざまな物音に變化して聞える。堀辰雄『雨後』 ☆いま雨音が聞こえる。 少し落ち着く。

ちまた、ちまたを歩むとも

ちまた、ちまたに散らばへる秋の光をいかにせむたそがれどきのさしぐめる我が愁をばいかにせむ捨身に思ふ我が身こそびいどろ造りと成りてましうすき女の移り香も今朝の野分に吹き散りて水は涼しく流れたり薄荷に似たるうす涙 「秋日行語」萩原朔太郎 ☆ここぞ…

だが私は、

たしかに猫ばかりの住んでる町、猫が人間の姿をして、街路に群集している町を見たのである。理窟や議論はどうにもあれ、宇宙の或る何所かで、私がそれを「見た」ということほど、私にとって絶対不惑の事実はない。あらゆる多くの人々の、あらゆる嘲笑の前に…

島嶼部、

それは劇作品である。哲学的という名が私たちに与える思想家の世界から分離し、そこから離脱しなければそれに接岸する(aborder)ことができないと私は言いたい。登場人物たちが相互の連関においてのみならず、より深くある具体的状況のなかで私に課せられる…

また一週間が

始まり。 読書の秋、といってもそんなには読んでない。 転がってた大人のための歴史教科書をパラリと。 挿絵の犬、かわいいな。

黒い雨

井伏鱒二の、ラストを思い出す。 ヤスコの病気がいつかきっと治るんだ、という結び。 治らないかもしれないという不安が入り混じった感情がある。それでも山の向こうをじっと見つめる。 高校生んときは、希望を残したシーンだと思っていたが、希望的にも絶望…

クローディアの②

幸福についてちょっと。 クローディアが幸福なのが、わたしにもわかりました。幸福というのは、わき立つ感情が心の中に落ちつき場所を見つけることですが、いつもそこには小さな片すみがのこって、落ちつかずにパタパタしているものです。 ☆このまえ、私用で…

クローディアの

秘密、という児童文学がありまして(1967)、前から気になっていたが、最近図書館で発見。 クローディアの秘密 (岩波少年文庫 (050))作者: E.L.カニグズバーグ,E.L. Konigsburg,松永ふみ子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2000/06/16メディア: 単行本購入:…

久しぶりに/レトルト

柊あおい先生の漫画を考えていた。 ☆少女漫画のなかで、オクテな女の子が男の子に告白する目前で「(やっぱり)告白なんてできないっ」みたいなことを顔を真っ赤にして(片手はほっぺに)思いながら、でも勢いあまって告白していくみたいなプロセス、個人的…

一つの事実を

じっと凝視するという事は、即ち凝視そのものが私はある意味で愛そのものだと云い得ると思う。この意味から自分の敵に対しても凝視を怠ってはならぬ。(小川未明「愛に就ての問題」) 凝視しすぎか頭痛と動悸。 ☆おやすみなさい

容易には

飲み込めない何かを置いていく という本のレビューを目にする。そういう感じ、ある。☆今日はコレ。ホテル・ニューハンプシャー〈上〉 (新潮・現代世界の文学) ホテル・ニューハンプシャー〈下〉 (新潮・現代世界の文学) ☆上下分かれているのだけど、それぞれ…

声を放ったのは

兄の王。こう言った。 はや、どの道をとろうとも、破滅はさけられぬのか?だが、船を捨てることが、余に ゆるされようか、戦の誓いを反故にすることが、どうしてできよう?風を鎮めるための 祭りとあれば、乙女の生き血であろうとも狂気にすぎた狂気の沙汰と…

たまにはまじめに

締切が急遽1ヶ月も短くなってしまったので、いまわりと修羅場だ。 ここでこういうことを書くのは日常的にノミの心臓で人に言いかえすことができないからなのだ、私は。 ☆今日はコレ。 『ものがたりの余白』(ミヒャエル・エンデ、聞き手・田村都志夫、岩波…

モモ④

去年の今頃、Michael Endeの『モモ』についてきわめて少し書いている。 きわめて少しなのは、雑務でごった返してきたので手が付けられなかったのと、『モモ』について書くにあたり、各パーツが揃えられていなかったということがある。 まあ、別に研究してい…

本を読むと

嬉しいこともあるけど、落ち込むこともある。 今日は後者。 啓発本だったのだけど。 ☆お疲れ様です

オーディオブック

の一つに、中国の壺の話。 あるとき、都の大通りに壺を持った僧侶が来て、「この壺はみんなのものであり、みんなのものではない」と言う。 壺は物を入れるとすごく綺麗な音を立てるので、みんな争って石やら物やらを放り込んだ。そこに一人のお金持ちがやっ…

夕方あたりから

からりと。☆帰りに図書館。滞在時間5分ほど。 借りた本。カフカ最後の手紙カフカ最後の手紙作者: ヨーゼフチェルマーク,マルチンスヴァトス,Josef Cermak,Martin Svatos,三原弟平出版社/メーカー: 白水社発売日: 1993/08メディア: 単行本この商品を含むブロ…

チョット

タイトルからしてあまり手に取らない類いなのだけど。 人の心は読めるか?作者: ニコラス・エプリー,波多野理彩子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/01/23メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るたまたま内容を見聞きしたのを、近…

そして

人間は自から〈創造することを感じる〉ことに大いなる幸福を感じるのだ。(コルビュジェ、建築とは何か) 結婚式をしない友人に結婚祝いは何がいいかメール。「なんでもいいよ〜」という返信。休みになったら選びに。

66号線

は逃亡者の道だ。 …66号は母なる道路、遁走の道路。 明日は水曜日。